トチシルベ仕入れの一次判断のためのツール 14日間 無料で試す

角地の建蔽率緩和(+10%)の条件と、確かめる先

公開 2026年10月27日 / 法令・資料の確認 2026年10月27日

道路が2本ある角の敷地を見ると、建蔽率を10%足して見積もりたくなります。けれども、緩和の対象は特定行政庁が指定する角地で、道路の幅・角度・道路に接する長さの条件は自治体ごとに違います。条件を確かめずに足すと、建築面積を大きく見積もりすぎることがあります。

この記事の要点
  • 建蔽率に1/10を加える緩和は、「街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するもの」が対象(建築基準法53条3項2号)。
  • 指定の条件は、自治体の規則・条例で決まっている。名古屋市と京都市でも、道路の幅・角度・接する長さの基準が違う。
  • 防火地域・準防火地域で耐火建築物などを建てるときの緩和と合わせると、2/10 を加えることがある(同項)。

1. 法令で決まっていること

法令で決まっていること

建蔽率(建築面積の敷地面積に対する割合)は、用途地域ごとに都市計画で定められた数値などを超えてはなりません(建築基準法53条1項)。

次のどちらかに該当する建築物は、その数値に1/10を加え、両方に該当すれば2/10を加えます(同条3項)。

  • 3項1号:防火地域内(建蔽率の限度が 8/10 の地域を除く)の耐火建築物等、または準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等
  • 3項2号:街区の角にある敷地、またはこれに準ずる敷地で、特定行政庁が指定するものの内にある建築物

また、建蔽率の限度が 8/10 とされている地域内で、防火地域内にある耐火建築物等には、建蔽率の制限がかかりません(同条6項1号)。

根拠:建築基準法 第53条第1項・第3項・第6項(2026年5月27日施行の版を e-Gov 法令検索で確認)。耐火建築物等・準耐火建築物等の詳しい定義は省いています。

条文が「角にある敷地」とだけ書かず、「特定行政庁が指定するもの」としている点が大事です。どんな角地が対象になるかは、それぞれの特定行政庁が決めています。

2. 自治体ごとに条件が違う(例)

公的資料で確かめたこと
自治体と根拠道路の幅道路の角度道路に接する長さ
名古屋市
建築基準法施行条例 第15条第1号
前面道路の幅員がそれぞれ6m以上で、その和が15m以上内角120度以下敷地境界線の総延長の1/3以上
京都市
建築基準法施行細則 第15条第1号
各道路の幅員が5.5m以上で合計14m以上、または敷地面積が200m²以下内角が135度を超えるものを除く敷地の境界線の全長の1/4以上

根拠:名古屋市「建ぺい率の緩和される敷地(角地緩和)について」(2026年4月23日更新)、京都市「建蔽率の角地緩和」(市細則第15条の抜粋と運用)。どちらも2026年10月27日に確認。両市とも、道路に挟まれた敷地や公園などに接する敷地の定めもあります。

条件の違いの例(架空の敷地)

幅員 5.5m と 8.5m の道路が直角に交わる角の敷地で、境界線の長さの1/3が道路に接しているとします。京都市の第15条第1号アの条件(各5.5m以上・合計14m以上・1/4以上・内角135度以下)には該当しますが、名古屋市の第15条第1号の条件(それぞれ6m以上)には該当しません。同じ形の角地でも、場所によって緩和の有無が変わります。

3. 計算の例

計算の例(架空の敷地)
例条件(敷地 150m²・指定の建蔽率 60%)建蔽率建築面積の上限
A角地の指定なし・緩和なし60%90m²
B特定行政庁が指定する角地60% + 10% = 70%105m²
CBに加え、準防火地域内の耐火建築物等60% + 20% = 80%120m²

建蔽率が上がっても、容積率・斜線制限・日影規制などで延床が先に頭打ちになることがあります。緩和の有無が延床にどれだけ効くかは、敷地ごとに確かめます。

緩和を「確かめてから入れる」作りの目安ツールトチシルベは、道路が2本以上ある敷地でも角地緩和を自動では入れません。指定の条件を確かめてから入れると、建蔽率・容積率・斜線・日影を入れた延床の目安が出ます。確かめていない前提は「要確認」として結果と報告書に残ります。

14日間 無料で試す

4. どこで確かめるか

物件の資料が届いたら、まず目安を出す住所を入れるだけで、用途地域・建蔽率・容積率・道路の目安から延床と階数の目安を出し、確かめる窓口の一覧も作れます。14日間はすべての機能を無料で使えます。

14日間 無料で試す

出典

この記事は、法令と公開されている自治体の基準の一般的な説明と、架空の敷地での例です。自治体の基準は改正されることがあり、運用の細かな扱い(隅切り・道路の種類など)も自治体ごとに違います。個別の敷地は、所管の窓口や建築士に確かめてください。