役所調査で確かめる項目の一覧と、調べる窓口
公開 2026年10月27日 / 法令の確認 2026年10月27日
売買の重要事項説明では、法令にもとづく制限やインフラの状況などを説明します。その多くは、市区町村などの窓口で確かめる必要があります。どの項目を、どこで調べるかを先に一覧にしておくと、窓口を回る順番が決まり、聞き漏れが減ります。
- 説明する事項は、宅地建物取引業法35条1項と、その施行令・施行規則で決まっている。
- 「法令に基づく制限」は、都市計画法・建築基準法のほか、施行令3条に多くの法律が並んでいる。
- 土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域・水害ハザードマップでの位置なども、説明する事項に入っている(施行規則16条の4の3)。
1. 法令で決まっていること
宅地建物取引業者は、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士に、少なくとも次の事項などを書面で説明させなければなりません(宅地建物取引業法35条1項)。そのうち、役所での調査にかかわる主なものです。
- 登記された権利の種類と内容(1号)
- 都市計画法・建築基準法その他の法令に基づく制限で、政令で定めるものの概要(2号)
- 私道に関する負担(3号。建物の貸借を除く)
- 飲用水・電気・ガスの供給と、排水のための施設の整備の状況(4号)
2号の「政令で定めるもの」には、都市計画法・建築基準法のほか、文化財保護法・土壌汚染対策法・宅地造成及び特定盛土等規制法・農地法・道路法・河川法・景観法・都市緑地法・生産緑地法など、多くの法律の制限が並んでいます(施行令3条)。
また、宅地の売買では次の事項も説明します(施行規則16条の4の3 第1号〜第3号の2)。
- 造成宅地防災区域内にあるときは、その旨
- 土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨
- 津波災害警戒区域内にあるときは、その旨
- 市町村長が提供する水害ハザードマップに位置が表示されているときは、その図面での所在地
建物の売買では、石綿の使用の有無の調査の結果の記録、耐震診断の内容(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く)なども加わります(同条第4号〜第6号)。
根拠:宅地建物取引業法 第35条第1項(2026年4月1日施行の版)、同法施行令 第3条(2026年4月1日施行の版)、同法施行規則 第16条の4の3(2026年10月1日施行の版)。e-Gov 法令検索で2026年10月27日に確認。ここに挙げたのは一部です。
2. 何を、どこで調べるか(目安)
窓口の名前や分担は、自治体によって違います。最初に、自治体の組織の一覧で担当を確かめてください。
| 調べること | 主な窓口の例 | 主な資料の例 |
|---|---|---|
| 用途地域・建蔽率・容積率・防火地域・高度地区・地区計画・都市計画道路 | 都市計画課など | 都市計画図、地区計画の計画書 |
| 建築基準法上の道路の種別・幅員、2項道路とセットバック、接道 | 建築指導課など | 指定道路図、道路の判定の記録 |
| 道路の管理(市道などの認定・幅員・境界) | 道路管理課など | 道路台帳、境界の確定の記録 |
| 上水道・下水道の配管と負担金 | 水道局・下水道課など | 給水管・下水道の台帳 |
| ガス | ガス事業者 | 配管の図面 |
| 埋蔵文化財の包蔵地 | 教育委員会(文化財)など | 包蔵地の地図 |
| 土壌汚染(要措置区域など) | 環境の担当課など | 区域の台帳 |
| 土砂災害警戒区域・造成宅地防災区域・津波災害警戒区域 | 都道府県・市区町村の担当課 | 指定の図面 |
| 水害ハザードマップ | 市区町村の防災の担当課など | 洪水・内水・高潮などのハザードマップ |
| 農地(農地法) | 農業委員会 | 農地台帳 |
| 景観・緑地・生産緑地など | それぞれの担当課 | 計画書・指定の図面 |
3. 漏れを防ぐ進め方
- 公開データで先に分かる項目を埋める:用途地域・防火地域・災害の区域などは、国や自治体の公開データや地図で先に見当をつけられます。窓口では「確かめる」だけにすると、時間が短くなります。
- 分からない項目を、窓口ごとにまとめる:同じ窓口で聞く項目を1枚にまとめ、窓口を回る順番を決めます。
- 確かめた内容と相手を記録する:担当者・日付・根拠の資料を残します。あとで内容が変わったときに、いつの時点の情報かが分かります。
43項目の一覧と、窓口で使う用紙をまとめて作るトチシルベは、住所や物件概要書から、公開データで分かる項目を埋め、分からない項目は「要確認」と確認先を書いた一覧(重要事項調査参考資料)と、窓口で書き込めるヒアリング用紙を作ります。重要事項説明書の代わりではなく、調べ漏れを防ぐための下ごしらえです。
14日間 無料で試す4. 注意すること
- 公開データや地図は、基準日の時点の内容です。最新の指定・変更は、窓口で確かめてください。
- 説明する事項は、宅地か建物か、売買か貸借かで変わります(施行令3条・施行規則16条の4の3)。
- この記事の一覧は、法令の一部と実務の一般的な例です。物件や地域によって、ほかに確かめる事項があります。
物件の資料が届いたら、まず目安を出す住所を入れるだけで、建てられる大きさと価格の目安、確かめる窓口の一覧を出します。14日間はすべての機能を無料で使えます。
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- 宅地建物取引業法 第35条第1項(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176、2026年4月1日施行の版、2026年10月27日確認)
- 宅地建物取引業法施行令 第3条(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339CO0000000383、2026年4月1日施行の版、2026年10月27日確認)
- 宅地建物取引業法施行規則 第16条の4の3(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012、2026年10月1日施行の版、2026年10月27日確認)
この記事は、法令の一般的な説明と、実務の一般的な進め方の例です。重要事項説明の内容と方法は、宅地建物取引業者・宅地建物取引士の責任で、個別の物件ごとに確かめてください。